飛べない野鳥のヒナを見つけたら

鳥の巣

 毎年、この時期になると野鳥のヒナが巣立っていきます。それに伴って飛べない野鳥のヒナを保護したからと動物病院を訪れる方がいらっしゃいます。でも、実はその方が野鳥の生存を脅かしている場合もあるのです。

 どうしてヒナが地面にいることがあるのですか?

 野鳥のヒナの多くは、羽が生えそろうとすぐに巣立つので、巣から飛び出す段階ではうまく飛べない個体もいます。
 でも、けがをしていなければ親鳥がエサを運んで誘導をするうちに少しずつ飛べるようになります。

 ヒナを見つけた時は、どうしたら良いのでしょうか?

 親鳥は人が近くにいると警戒して、ヒナの所へ行けません。
 人がヒナに手を出して親子を引き離すと『誘拐』になりますので、何もしない方が良いでしょう。

 猫やカラスに食べられませんか?

 心配ならば、ヒナを近くの茂みの中に置くこともできます。
 親鳥は姿が見えなくても、ヒナの声で気付く事が出来るでしょうから…。

 人がヒナを育てる事はできませんか?

 付きっきりで面倒をみれば、育つ場合もあります。
 しかし、自然界では巣立った後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間~1ヶ月)に、自然の中で生きていくために必要な事を学びますので、人の手によって育てられると自然界で生きていくのが難しくなります。

※ けがをしている鳥などを見つけた時は、まず都道府県の鳥獣保護担当課に相談して下さい。
野鳥は許可なく捕えたり、飼ったりすることができません。
連絡先は(財)日本鳥類保護連盟のホームページを参照して下さい。

(この文章の作成にあたり、野生動物救護獣医師協会のポスターの文章を参考にしました。)


《リンク》
特定非営利活動法人 野生動物救護獣医師協会 http://www.wrvj.org/
すずめっ子クラブ           http://asterisk-web.com/sparrow_club/
(財)日本鳥類保護連盟       http://www.jspb.org/hinakyosan.html
(財)日本野鳥の会         http://www.wbsj.org/
                       (ここからポスターのダウンロードもできます)